ザ・コミックス@セブ

元お笑い芸人(ザ・コミックス)リーダーのセブ島リロアン、旅の宿チロリン宿と波際食堂の独り言。

2月13日(火)上北沢の喫茶店


深夜・・洪水に襲われた夢で

目が覚め・・窓の外を見たら

暴風雨~なんてえ~こった・・・


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屋根を修理し終わって

ふ~よかったと・・思ったもの

の此処はフイリピン・・

新たに屋根が吹き飛ばされないかと

よけいな心配も頭をよぎる

あちらこちらで木々のきしむ音

暴風が吹きぬけるびゅーんと

いう不気味な怪音・・・


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どこか雨漏りはないかと

思う反面・・今更あったとて

どうにもならぬと諦め・・・

再び眠りについた

暴風雨を子守唄代わりに

と・・・強引に思いついたが

うるさくて眠れず

経本を取り出し7~8ページ

ながめたところであの世行き

経本はわたしにとって

優れた睡眠薬・・・

朝9時再び目覚めたが

依然として暴風は続き・・・

お昼を過ぎても止む気配なし

いつもの嵐はあっという間に

過ぎ去っていくのが通例だけど

今回の台風BASYANG

長時間にわたる暴風雨・・・

お隣の文ちゃんみたい

カドを立てそうにないニヤけた

顔がいっそう不気味だ。

海辺の暴風雨も不気味だけれど

この嵐の中エルメール・・

去年11月年寄り運転手に

ぶつけられ大きなダメージを

うけたまま・・相手側の小さな

保険屋ようやく金を出す気になり

OKとなったので修理に出しますと

昼過ぎ嵐の中を出て行った・・・

被害を受けてから三ヶ月を過ぎ

修理期間も二週間ほどだと言う

此処はフイリピン三週間は

見なければならぬ・・・・・・・

日本のような代車システムなど

ない・・修理期間中の

保障ももちろんなし・・・

怪我と弁当自分持ち

一昔前の土方になった気分

この国では問題にぶつからぬ

ことが一番のようだけど

問題が一番多い国・・・

これが問題だ!

今日から車がない

ゴルフへ行くのは徒歩・・

ゴルフセットを担いで

ダナオまで3時間

往復6時間・・歩くだけで

ゴルフする時間がない・・

どうしたらいいんだべえ・・・

ダナオの山で一泊か?

がははははは~~~~~~!


       <ザ・コミックス放浪記>


夜のキャバレーフロアショー

仕掛け道具や小道具・・

衣装をごっそり利用

コントではなく見せる

アイディアで酔客にうけていた

KIG先生と云う人の道具の

アイデイアと製作・・

IGR先生と云う人の持ち味で

成り立ち・・道具運びは

少年と一年先輩のMGYさん

キャバレーは一日2ステージ

二人の荷物運びが必要だった

特製のドデカイ長方形の入れ物に

道具を詰め込み背中に背負い

両手にバッグをもち電車に乗る

その頃山手線には傷痍軍人が

アコーデイオンを弾き軍歌を

唄いいくばくかの小銭を

もらう風景も見られた時代

少年の姿も満州からの

引揚者に見られてるようで・・

最初は恥ずかしかったが

そんなことを気にしていたら

また行き場を失ってしまうので

じっと堪えたけれど雨の日は

両手がふさがってるので

傘を差すのが難しく・・・

慣れない最初のうちは

途方にくれた・・・先輩の

MGYさんは体格が良く

苦にする様子も見られず

すいすいと電車を乗り降り

そのあとを必死で追いかける

ちび少年・・はたで見てる人は

滑稽だったに違いない・・・・・・

先輩は慣れているらしく

まるで引越しのプロ作業員

のように手際がよく・・時々

見かねて手伝ってもくれた

ショーの出番30分前頃から

両先生の衣装をチエック用意

ステージの横で道具の組み立て

時々お飾りのようにステージにも

立たせてくれたけど・・・・・・・

気が進まず立たせてくれなくて

いいのに・・・といつも思っていた

先生にしてみれば芸人志望に

対する親心だったのだと思う

でも・・キャバレーで酔客相手・・

それに大小の道具・・衣装を

ふんだんに使って見せるコミックショー

キャバレー界では売れっ子だけど

少年が望む道とは

路線が違うと生意気に思った

それに住み込み・・毎日

顔を合わせる奥さん・・・

継母と性格が似ていて

口やかましく先生より・・


いつもでしゃばってくる

そんな奥さんを愛しているらしく

優しく振舞う先生、元バレリーナだと

奥さんは云い””素人とは違うのよ!””

と・・すぐ自慢をする・・・

””ああ~すぎになれない・・・””

そんな時・・となり

上北沢駅前にある

喫茶店・・愛に避難・・・

好きでもない苦いコーヒーを

オーダー大人ぶってみた・・

ある日久しぶりに行った愛

カウンターに17~8歳位の

可愛い顔した女の娘が

一人座ってジュースを飲み

時々こっちをちらりと見ながら

トイレに行った・・・・・

あまり可愛いのでドキッとした

けど・・声をかける勇気もなく

苦いコーヒーをすすっていたら

トイレから出て少年の前で

””一人なの?””

””うん・・そうだけど・・・””

””ちょっとだけ座っていい?””

””いいけど・・・・・・・・・・・・””

ドキ~~~~~~~~~~~!

高鳴る胸を隠そうと・・・

深呼吸の連続・・

名前はMYK・・18歳そして

少年にも名前を聞くので

落ち着いたふりを取り繕い

なかだ・・・・・・・・・・・

と云うのが精いっぱいだった

MYKと云う娘・・家はすぐ近く

喫茶店・・愛にはいつも来てると

積極的に話し掛け・・・

此処へ来る前に財布を

落として困っちゃった~~

悪いけど千円貸してくれる?

明日・・間違いなく返すから・・・

此処へお昼の12時ごろ来れる?

頭がポワーンとしてしまった少年

持ってた千五百円のうち・・・

なんの躊躇もなく千円を

彼女に渡し・・別に

明日じゃなくてもいいよ!

と・・見栄を張ってみた・・・・・・

するとMYKは明日がいいな~と

甘ったるい声で答えた・・・

じゃあーわかった~と少年

MYKのジュース代も一緒に

払い・・・明日を夢見て

さっさと帰り・・胸を膨らませ

あくる日喫茶店愛に

12時ぴったり着き・・・

MYKが来るのを待ったけど

1時を過ぎても現れず・・

やがて2時になった

それでも来ない彼女・・・

悪い予感を感じたが後15分だけ

待って来なかったら帰ろうと

心に決め淡い期待を抱いて

待った・・・現れない・・・・・・・・

少年にとって千円は大事だった

一回目の中古で買った腕時計

をだまされて以来2回目の

だましにあった・・・けれど

あんな可愛い顔して

だます千円・・なにか事情が

あったのかも知れないと

恨む気持ちにはなれず

逆に可哀想だと思ってしまった・・

上北沢駅からとぼとぼ歩く

少年の心は複雑に揺れ動き

口ずさんでしまった・・・・・・・・

上を向いて~歩こう~

涙がこぼれ~ないように~

想いだす~春の日~

一人ぽっちの夜~

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