神父さん、市役所関係者を
コンドミニアムの一室へ出前を
お願いして形ばかりのセレモニー
だったけれど、やけに照れくさく
冗談を言って誤魔化すケン棒
公式な堅苦しいことが苦手だった
一応滞りなく一連の儀式が終わり
ほっと開放感に包まれ・・
およそ１ヵ月後に迫った新しい命
への後ろめたさも消えて
後は無事五体満足な子が生まれる
のを願うばかり、できるならば
自分のＤＮＡから遠い子が
出てくることを願っていたケン棒
それほど自分への自信や信頼感も
なく・・そんな自分を好きにも
なれない変な奴、その人間が
結婚したり子供を作ったりすることを
望むべくもなかった・・・
自分が望んだ人生とはなぜか逆の
方向へ行きそうな結果になってしまい
まあ～いろいろあら～～な～
と自分で自分に折り合いをつけ
納得したが冷静になって考えたら
何もかもリンダのペースで事が運び
はまっちまったな～とも思えたけれど
自分が少しの妥協をすることで
結果的にいい道だったと思える日が
くるかも知れない・・どうせ今は
独り者失うものはなにもなく
リンダの優しさと自然の流れに
任せてみようと思ったケン棒・・
子供に対する責任ばかりが過剰に
なってたけど、親はなくても子は育つ
な～んて自分に都合がいいことも
頭に浮かび少し気は楽になった・・
日本へもどる日も近づき・・
””できたら自然分娩してくれヨ～～””
””うん・・わかった～””
そういい残して日本へ向かったけど
生まれる予定日まで１ヶ月を切り
話す言葉とはうらはらに
日ごとに心配が募るケン棒
予定日前後には仕事の関係上
忙しくマニラには行けない埼玉県
越谷の家でそわそわ気にしながら
マニラ、マラボンからの吉報を
待っていた・・・・・・・・・・
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